第3回青少年育成セミナー H8.11.9.(土)
午前10:00〜午後4:00 |
会
場 |
三島南田町グランド 佐野美術館
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講
師 |
東京電力 北山一美氏
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テーマ |
資源・エネルギーについて学ぶ
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「資源エネルギーについて学ぶ」東京電力(株)
北山一美 |
●今回の講演の方針 |
小・中学生に対して現在の日本及び世界の資源やエネルギーの事情やその有効利用、環境問頴についてできるだけ正確に事実に基づいて説明することを心がけました。その為講演は目で見てわかりやすいようOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)を利用し、進めることとしました。また、今回用いた各種の資料やデータは公開された資料や文献を用いました。お問い合わせいただければ、いつでもその出典をお知らせできます。このことを追跡可能性(トレーナビリティ)と言い、大変重要な点です。
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●今回の講演の内容 |
・まず人類とエネルギーの関わりについて歴史的変遷を説明しました。数十万年以上前の火の発見から石炭を利用した産業革命(18世紀後半から19世紀)、さらに20世紀には石油を利用して技術的な大革新が起きて現在に至っていること。これに対応し19、20世紀にかけてエネルギーの消費量がそれ以前に比べ飛躍的に増大していることを示しました。
・エネルギーの利用に関し、安全で使い勝手の良い電気がここ30年大きな伸びを示していることを説明しました。この電気は火力(約50%)、原子力(約40%)、水力(約10%)の割合で発電されています。また電気の使われ方には、光として、動力として、熱として、電子としてなどいろいろな使われ方があることを示し、1日の中でも昼と夜の使われ方に違いがあることを示しました。
・次に世界のエネルギー資源について石油、天然ガスが50年程度、石炭は300年、原子力はプルトニウムを利用することにより1000年以上利用可能であることを示しました。また日本のエネルギー資源や原子力を準国産と考えても85%程度は海外から輸入していることを示しました。また今後30〜40年後には途上国のエネルギー消費が増え、先進国のエネルギー消費が増えないとしても、世界のエネルギー消費は現在の1.5〜2倍になるだろうことを示しました。
・また今後考えられる新エネルギーについて、太陽発電や風力、地熱、燃料電池等があることを示しましたが、今のところこれらを大規模に利用することは難しいことを示しました。(皆さんにはソーラーカーのプラモデルをお持ち帰りいただきました。うまく動いたでしょうか?)
・人間活動の肥大化による地球環境の劣化問題について説明しました。
それらは.....
(1)大気の温室効果による地球の温暖化
(2)イオウ酸化物、窒素酸化物の放出による酸性雨問題
(3)フロンガスや窒素肥料の使用拡大による成層圏の環境問題
(4)森林、耕地の過剰開発、人口爆発等による砂漠化の進行等です。
これらのうち特に温室効果と酸性雨については詳しく説明を加え、温暖化防止にはCO2ガスの排出を抑えることの重要性を示しました。(その後1997年京都で行われたCOP−3という国際会議でCO2の削減について話し合われました。)
・最後に資源の有効利用やリサイクルの観点からドイツ・デュッセルドルフ市の例や東京町田市の例、さらにアルミ缶の回収再利用の例を示しました。
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●講議を終えての感想 |
子供たちが少し難しい話を一所懸命聞いてくれたことに感激しました。今は難しくても何年か経ってから一人一人が自分の問題として考えてくれるようになればありがたいと思います。また感想文を読ませてもらい、いろいろなことを反省すると共に今後もこの様な機会を持たせてもらえたらと思います。
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